ボーダー 二つの世界

情報:2018年公開 監督はアリ・アッバシさん

あらすじ:匂いから情報を感じる事が出来る特殊能力を持ったティーナが主人公です。ある日、ティーナはヴォ―レという謎の人物と出会います。ヴォ―レに興味を持つティーナ。そこから物語は大きく展開されていきます。

感想:最初はどこにでもあるミステリーものかなぁと思って見始めたのですが、衝撃を受けました。色々ときわどい表現がありますが、考えさせられる映画だと思います。

自分の容姿をずっと気にしていたティーナですが、ヴォ―レ曰く、それは自分たちがトロルだからとのこと。

トロルとは……北欧の神話や民話に出てくる妖精、精霊の類です。本作はスウェーデン(北欧)の映画ですので、そこと関連しているわけですね。

ティーナがトロルであるという特徴は容姿だけでなく、体にも表れていて、なんとティーナは女性の体でありながら男性器?が生えているのです…!同じく、トロルであるヴォ―レも見た目は男性でありながら、男性器は生えておらず、しかも定期的にヒイシット(未受精卵)を産み落とすのです。もうこの辺の設定で、頭がこんがらがります笑。モザイクがありましたが、映像的にも過激です。特に、冷蔵庫の中のヒイシットをティーナが発見するシーンには言葉を失いました…。

ティーナの父と、ヴォ―レの話によるとトロルは人間にひどい扱いをうけており、今では一部の生き残りがフィンランドにいるだけとのこと。

そのためか、ヴォ―レは人間に恨みを持っており、取り換え子(チェンジリング)という犯罪を行っています。この取り換え子はヨーロッパの伝承らしく、トロルの設定と合わせて、ファンタジーな世界観ですね。

物語のラストでは、フィンランドからトロルの赤ん坊がティーナのもとに送られてきて終了です。この際、ティーナは赤ん坊に虫を食べさせます。物語の序盤、ヴォ―レに虫を食べることを勧められ、嫌悪感を抱いていたあのティーナが……という感じに、色んなものをひっくるめて、短い時間でいろんな価値観のボーダーが破壊される作品でした。

総評として、私好みの楽しい映画ではありませんでしたが、衝撃を受けるという点では、まず間違いない作品です。設定、衝撃的な映像含めておススメできる映画と言えます!

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