情報:1999年公開 監督はこだま兼嗣さん
感想:歩美が映画を見ているシーンから映画は始まります。夜更かしを注意された歩美は寝室に行きます。窓に差し込む陰に気付いた歩美がベランダの窓を開けると、そこには怪盗キッドが!
翌日、学校の場面に… 今回の映画から少年探偵団のメンバーに灰原が加わっています。
場面は変わって大阪へ そこでは特別捜査会議が行われおり、この会議には小五郎も参加しています。 キッドから届いた予告上にはメモリーズエッグ(鈴木財閥の蔵から発見されたもの)を盗むというもの 文末には世紀末の魔術師と書かれています。 ちなみにキッドの盗難による被害総額は387億2500万円だそうです。 会議の後、財閥の娘である園子と一緒にエッグを見に行くことに。
コナンが来ることを知っていた服部と、和葉も合流。 一行会長室へ。 ロシア大使館のセルゲイ 美術商の乾 ロマノフ王朝研究家の浦思 青蘭(ほし せいらん) エッグの取材を申し込んできた映像作家の寒川が登場します。
先述の4名が去ったあと、エッグを見せてもらうことになりました。 エッグの中には皇帝一家の模型があり、全部金でできているそうです。
小五郎の推理により、大阪城に午前3時にキッドが盗みに入ると推測した警察たち。 しかしコナンは納得しておらず、宝石しか狙わないキッドがなぜエッグを狙うのかを含め疑問を持ちます。
キッド対策のため、捜査会議にも出席していた中森が、大阪城からエッグを別の場所に移すと宣言。
時刻は夜に。ここで香坂登場。曽祖父が遺したものとエッグの図が違う、と鈴木会長の秘書である西野と話しています。
7時20分になれば秒針が平仮名の「へ」のようだという服部に、コナンはキッドの犯行予告時刻が午後7時20分推測。さらに、服部も場所は大阪城でなく通天閣だと気付きます。 キッド変電所を爆破し、停電させることで病院やホテル以外に自家発電がある施設を特定。 そこにエッグが隠されている予想したのです。そのため、辺りを見回すのに通天閣を選んだのでしょう。
コナン、服部は倉庫に向かいますが、キッドに逃げられてしまいます。 後を追う両名ですが、服部の運転するバイクが車両と接触しそうになり、横転します。「キッドを追え!」と服部から後を託されたコナンは、単身でキッドに向かうこと… そのまま逃げおおせるかのように見えたキッドですが、何者かに右目を撃たれ、生死不明となってしまいます。幸い彼が持っていたエッグは無事、一緒にいた鳩も無事でした笑
翌日エッグは傷がないかを調べるため鈴木家の船で東京へ
船の中では寒川が右目を撃たれて殺されます。 このことに疑問を感じたコナンは右目を狙うスナイパーをアガサ博士に調べてもらいます。すると、スナイパーの正体はスコーピオンというものだと判明。どうやら彼?彼女?はロマノフ王朝の財宝を狙っているようで、エッグもまさにロマノフ王朝の財宝です!
船内での事件は、西野をはめようとした事件と、寒川が殺された事件が重なっていたことが判明しましたが、この時点で犯人は特定できず。
場面は移り、香坂の城に到着。香坂が持っていた図面の違いから、香坂の城にもう一つのエッグがあると踏んだためです。 そこに子供たちを乗せた博士も到着。ここで博士がコナンにバージョンアップした眼鏡を渡します。子供たちは正面からは入れてもらえないので、別の入り口を探すことに…
トイレに行くふりをして城の中の財宝を探す乾。 財宝は見つかりましたが、城内に仕掛けられたトラップにかかってしまいます。 香坂の執事によると城の中にはまだこういった仕掛けがまだある模様。
一行執務室へ。 小五郎の吸ったたばこの煙から、風が下からきていると推測したコナン。秘密の入り口を探します。床を探っていると、地下室への秘密のスイッチを発見しました!
思いつくパスワードを試してみますが、反応はありません。香坂が船内でも話していた、「バルシェ肉買ったべか」をロシア語に直してみると、ヴァルシェーブニック カンツァー ベカになりました。 これがパスワードだったようです。 ちなみに意味は世紀末の魔術師となり、キッドが送ってきた予告上の文言と同じです。何か関係があるのでしょうか?
別の入り口を探していた子供たちは、博士が偶然壁のスイッチを押してしまったことで、地下に落ちてしまいます。しかし、そこで助けを待つよりも先に進むことにしたようです。
場面はコナン達へ。犯人がサイレンサーを付けるところを見てしまった乾は殺されてしまいます。
その後、コナン達と子供たちが合流。しかし、一行は行き止まりにあたってしまいます。また仕掛けがあると踏んだコナンは、扉の鷲の王冠に光を補足して当てることで、扉が開きました。その奥には、さらに地下へと続く階段が…
最奥には謎の棺が 中を開けると骨と赤いエッグが入っていました。骨は香坂さんによると高祖母のものではないかとのこと。しかし、エッグの中身は空です。 歩美のマトリョーシカのようだという言葉をヒントに、エッグの中にさらにエッグを入れることとなります。 どうやらエッグの作成者は二つのエッグを作ったのではなく、二個で一個のエッグを作ったようです。 コナンはさらにエッグのガラスがレンズだということに気が付き、台座に懐中電灯を挿し、エッグをその上に載せました。すると全方向にニコライ皇帝一家の写真が!その写真の中には、香坂の曾祖父と曾祖母の写真もありました。これがメモリーズエッグの由来のようです。
この辺りはかなり盛り上がりますよね。今まで追っていたエッグの謎を解き、お宝を見つけ出したような感覚になります。まるで冒険映画を見ているようです。
これでめでたしめでたしとはならず、小五郎に赤いレーザーポインターが…! 間一髪で交わしましたが、犯人は逃げてしまいます。コナンと白鳥がその後を追います。 犯人は館に火をつけます。 追いついたコナンは変声期で白鳥の声や、殺された寒川と乾の声を使い犯人を驚かせます。ここの演出、かなりかっこいいですよね。犯人は囲まれているつもりが、実際はコナンが一人いるのみ。 こういう新一のエンターテイナーところは見ていて面白いです。
結局犯人はスコーピオンでその正体は、浦思 青蘭(ほし せいらん)を名乗っていた女性でした。 中国人と思われていた彼女でしたが、実はロシア人で、ラスプーチンの末裔です。
弾丸はもうないだろうと挑発するコナンに対し、スコーピオンは予め装填していたことで余っていた銃弾で、コナンの右目を撃ち抜きます。しかし、コナンの眼鏡は特別製の硬質ガラスにバージョンアップしていたため、銃弾をはじき、スコーピオンを追い詰めることに成功します。 次の弾を込められる前に、コナンはキックシューズで蹴ったボールでスコーピオンを気絶させます。
これでエッグも取返し、スコーピオンも逮捕し無事事件は解決です。
結局姿を見せなかったキッドですが、物語の終わりに姿を見せてくれます。
新一の正体が蘭にばれそうになってしまいます。正体を隠すことに限界を感じたコナンは、実は…と正体を明かそうとしますが、ここで新一に変装したキッドが現れます! 驚く蘭とコナン。濡れている新一(キッド)蘭はタオルを持ってくると言い部屋を出ます。 これで正体がばれることはなくなったコナン。事務所を出るキッドを追いかけ、事件のこれまでを語り始めます。実は、コナンに付きまとっていたように見えた白鳥はキッドの変装で、ずっと事件にかかわっていたのでした。 エッグを狙っていた理由は、エッグを本来の所有者である香坂にエッグを返すためだったようです。 最後になぜお前(新一)を助けたかという問いにコナンは、鳩を助けたからだろうという言葉で物語は締めくくられます。
エッグが中心となっていた物語ですが、奪うか奪われるかだけでなく、ロマンチックな仕掛けが施してあり、エッグの正体がわかった時にはなんだか感動してしまいました。 キッドも登場時間こそ短いですが、強烈な存在感を放っていて、最後のシーンではコナンを助けるような義理堅い一面も見せてくれました。 映画タイトルの回収タイミングや推理シーンの声の使い分けもかっこよく、全体的にクオリティの高い映画でした!